内部からの調査
建物の外から見てもわかりましたが雨漏りの跡が1階と2階の屋根全体に現れ軒裏(軒天)まで濡れてる状態でした。
確実な原因を見つけるために2階の天井裏に入って実態調査です。
写真でわかるように野地板(屋根下地板)まで雨水が伝わっています。
外部からの調査
南側
北側
拡大
昔ですと銅は長持ちするものなので建築材料として多用に使われていました。
ところが・・・
一文字瓦付近の銅板に穴が開いています。
穴の大きさは1~3センチで場所によって大きさがまばらです。
17年目でこの状態ですから相当早い時期(短期間で)から腐食が進行してきたと思われます。
瓦と銅板の相性も良くないのですが、昔と違い地球環境の変化がこういう部分にも影響が出てきてるのかもしれません。
穴の開いた部分を拡大しました。穴の中に防水シートのフェルトが見えています。
また穴の周りの銅板も腐食で薄くなって紙が裂けたような切れ目もありました。
一文字瓦をめくり、銅板部分を露にしました。
銅板部分もめくってみると下地防水シートのフェルトが避けた状態でした。
たぶん夏季に熱を浴びた銅板が膨張してフェルトを引っ張り裂けたのではないかと思います。
銅板に火で炙った跡の様に赤くなっている部分があります。
この後銅板もめくって防水のルーフィングシートを敷いて防食性の高いガルバリウム鋼板で葺くことにしております。
ガルバリウム鋼板は高い防食性を活かして、建物の外壁や屋根の材料、あるいは雨樋・ベランダまわりなどの各種建築材料として近年使用が増加しています。
仮設足場もあるのでこれを機会に軒先の破風・鼻隠し板の塗装の防腐性が無くなったのでここもガルバリューム鋼板で包むことにしました。
軒樋も樋受金具も同時に取り替えました。
棟瓦のずれや傷みもあったので一文字瓦の復旧の時に棟瓦は積み直して修復しました。
棟瓦に雪が積もった後、雪融け時に落ちる雪に引っ張られ棟瓦がずれることがよくあります。
特に日当たりが良い南側が先に融けるので棟瓦は南側にずれています。
強風による瓦のずれもありますが方向性がいつも同じなので雪の場合が多いです。
工事が完了しました。
新築時のようにきれいなラインが和風住宅らしく印象付けこれからも大切に住まわれていく気配を感じました。